ひと昔前までは、歯の表面に少しでも黒いところがあれば、すぐに削って治療していました。それは、むし歯が大きく広がらないように、小さなうちに処置をするという考え方からです。

「早期発見、早期治療」は大切です。初期の虫歯の場合は、「早期発見、長期観察」が良いと思います。最近、テレビなどでも、歯磨き剤のコマーシャルで、“再石灰化”という言葉をよく耳にすると思います。再石灰化とは、食事のたびに歯のミネラル成分が溶け出し、軽いむし歯状態になりますが、再び唾液の働きにより、歯にミネラル成分が沈着し、もとの状態に戻してくれることを言います。

一度削ったら、もとに戻らない。
初期のむし歯は、削らない。

からだの傷が治るように、初期の虫歯は削らずに治しましょう。